東日本大震災で大きな被害が出た宮城県亘理町を駆ける「わたり復興マラソン」(町主催)が8日、亘理浜吉田ロードコースであった。あいにくの雨模様の中、最長10キロの男女16種目に北海道から福岡までの1561人が出場。復興途上の町で健脚を競った。
コースの多くは、震災の津波で浸水した。選手らは、被災で一時休止したJR常磐線の浜吉田-亘理駅間や圃場整備が進む農地などの沿道を走り抜けた。「親子1.5キロペア」には116組が出場し、手をつなぐなど力を合わせてゴールを目指した。
レース後、郷土料理はらこめしと地元女性たちが調理した豚汁が振る舞われ、雨で冷え切った選手たちの体をじんわりと温めた。
5キロ男子B(30歳以上)で初優勝した栃木県矢板市の山家翔さん(32)は「走りながら、被災地はまだ復興途上だと実感した。沿道で見守る住民らが少しでも笑顔になってほしいと思い、レースを進めた」と話した。
大会は1990年から景勝地・鳥の海で開かれてきた。津波で沿岸のコースが損壊したため、2012年に名称と場所を変えて再開した。