<復興祈念公園>気仙沼市、陣山の高台に選定

宮城県気仙沼市は7日、市が計画する東日本大震災の復興祈念公園の整備場所を、同市陣山の高台に選定したと発表した。2018年度の完成を目指す。復興庁によると、津波で浸水しなかった高台に追悼・祈念施設を設けるのは、沿岸部の被災自治体で初めて。
陣山は、津波や火災の被害があった沿岸市街地や気仙沼湾を一望できる標高57メートルの民有地で、開発可能面積は5000~7000平方メートル。戦国時代の「陣山館跡」が見つかっており、市は新年度に発掘調査をして基本計画を固める。
昨年秋にできた庁内検討会が「震災級の津波がかぶらない高台」などを条件に候補10カ所を選定。コンサルタントから評価を得た5カ所からさらに絞り込んだ。市民が30分以内で通え、復興を実感できる眺望が評価された。
建設地について市議会議員全体説明会で報告し、出席者から異論はなかった。菅原茂市長は「教訓や犠牲者名が刻まれた石碑などが津波にさらされてはいけないと高台を選んだ。市民や観光客が、いつでも祈りをささげることができる場所にしたい」と話した。
復興交付金を使って慰霊の場を整備・検討するのは、岩手、宮城、福島、茨城4県の10自治体。気仙沼市と内陸部の白河市を除き、被害が甚大だった沿岸低地を建設地としている。

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