復興庁と宮城、岩手両県などは21日、石巻市と陸前高田市に建設する東日本大震災の復興祈念公園の基本計画を発表した。いずれも公園の中心部に国営の追悼・祈念施設を設置して鎮魂の場とし、周囲に震災の伝承施設を整備する。完成は2021年3月の予定。
石巻市の公園は南浜地区の約40ヘクタール。震災の記憶を後世に伝えるため、津波の被害に遭った街路網の骨格を各所に残し、中心部には追悼式典や復興イベ ントの会場となるスペースを整備する。市民活動やレクリエーションに対応する多目的広場を造り、海側には松林や湿地を復元する。災害時に備え、一時避難場 所として築山も建設し、日和山までの避難路も設ける。
陸前高田市の公園は再生する高田松原と気仙川河口一帯の約130ヘクタール。追悼・祈念施 設は「奇跡の一本松」の隣接地を造成した築山で、広田湾や新市街地を見渡し祈りをささげる空間となる。国道45号沿いの震災遺構「タピック45」周辺に は、津波伝承や物産販売の施設を建設する。
福島県の復興祈念公園は浪江、双葉両町にまたがる沿岸部に建設されることが決まったが、完成時期は未定。今後、基本構想を策定する。
竹下亘復興相は閣議後の記者会見で「犠牲者への追悼や震災の記憶の伝承、復興への強い意志を発信する場にしたい。地域の人が日常的に利用する施設とすることも大切だ」と話した。