<戦争体験談>20代の6割「聞いたことない」

戦争体験のない人でも2人に1人が体験談を聞いていることが、毎日新聞社と埼玉大学社会調査研究センターが行った時事問題世論調査「日本の世論2014」で分かった。20代は6割が体験談を聞いたことがなかった。日本の人口の8割は戦後生まれになり、来年は戦後70年。戦争体験の継承の仕方を考える時期にきている。
 回答者のうち、戦争を体験した人は14%、していない人は85%。体験していない人に「太平洋戦争を実際に経験した人、もしくは、親や祖父母から体験談を直接聞いたことがありますか」と聞いたところ、53%が「聞いたことがある」と回答した。「聞いたことはない」は46%だった。
 年代別では、40代~80歳以上で「ある」は過半数、最多は60代の62%だった。大半の親が戦後生まれとみられる30代は「ない」57%に「ある」43%と逆転し、20代は「ない」60%、「ある」39%。「ある」人の27%が、「不安に思っていること」を聞く質問に「憲法改正」を挙げた。「ない」人より9ポイント高かった。
 「誰からどのような体験を聞いたか」を自由に書いてもらう質問には、445件の回答があった。「誰から」は祖父母や父母が多く、内容は戦地経験や空襲、食糧難、疎開体験、日本国外からの引き揚げ体験など多岐にわたった。
 調査は10月中旬から12月初旬にかけて全国の有権者1800人に郵送で行い、回収率は59%だった。【扇沢秀明】

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