東北電力は20日、新仙台火力発電所3号系列(仙台市宮城野区、2基各49万キロワット)のうち、3月から試運転中の3-2号の営業運転を7月1日に始め ると発表した。液化天然ガス(LNG)を燃料にした最新鋭の高効率発電設備の全面稼働で、夏場の電力需要ピークに備える。
同日、報道各社に現場を公開した。東日本大震災で1、2号機が高さ約3メートルの津波で被災し廃止となった経験を踏まえ、3号系列は発電用タービンを建屋の3階に設置。敷地の海側に約5メートルの盛り土を施した。
発電方式には「コンバインドサイクル」を採用。気化ガス(1500度超)を使ったガスタービンと、640度の排熱を利用した蒸気タービンで発電する。
熱エネルギーの電力への変換割合(熱効率)は従来型の40%を上回る世界最高水準の60%超で、燃料消費量、二酸化炭素排出量をいずれも3割程度削減できる。
3-1号は昨年12月に営業運転を始めた。大野貞彦所長は「経済性、環境性に優れ、災害対策にも配慮した。安定供給で復興に貢献したい」と話した。