<新元号「令和」>「宮城野区平成」「平成ガス」去りゆく時代に寂しさ 新時代に期待の声

5月1日からの新元号が「令和」に決まった1日、今の元号「平成」を冠した宮城県内の地域、企業からは去りゆく時代への寂しさとともに、新たな時代に飛躍を期待する声が上がった。
 仙台市宮城野区の平成地区。JR仙石線苦竹駅の北西に広がる住宅地は、平成時代に入り3年目の1991年、原町苦竹地区の一部が名称を変えて誕生した。
 翌92年には商店街も「平成商興会」と改称した。一時は30を超える商店が軒を連ね、活気にあふれたが、高齢化に伴い店を畳む商店主が少しずつ増え、営業する店は半分近くに減った。
 小原信行会長(70)は「名前を変えた当時は、平成が珍しいと全国から多くの客が来た。にぎやかだった平成の時代が終わるのは寂しいな」と残念がった。
 平成2丁目の約230世帯が加入する町内会「中原新生会」は、元号を冠した「平成二丁目東公園」を交流拠点にする。二十数年前の平成初期、住民が未来への手紙を書いてタイムカプセルに詰め、公園の一角に埋めた。一昨年に開封し、当時の思い出に浸った。
 上野三男会長(66)は「新時代がスタートするので、子どもたちを交えて再びカプセルを埋めたい。これを掘り返すとき、どんな時代になっているのか、今から楽しみだ」と語った。
 利府町のガス工事・販売業「平成ガス」は92年に設立された。明治や昭和が付く大企業のように繁栄してほしいとの願いを込めた。
 千葉学社長(44)は「何度も改元を迎えられるくらい、長く続く会社を目指す契機にしたい。平成の良い部分は残し、変えるべき部分は変え、さらに飛躍できればいい」と力を込めた。

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