新元号「令和」の施行まで約1カ月。祝賀ムードが追い風となるブライダル業界、記念の出版物などを見込む印刷業界などはビジネスチャンスへの期待を高める。東北の自治体は移行時の混乱がないよう準備を本格化させた。
改元による経済効果は限定的ともされるが、一部業界は特需の取り込みに余念がない。
東北と関東で結婚式場を運営するスカイパレスアソシエイツ(仙台市)は、元号が「令和」となる5月1日に早速、仙台、郡山、福島各市で数件の挙式の予約が入っており、スタッフは準備に力を注ぐ。
同社営業本部の佐川貴志エリアマネージャー(40)は「多くの人にとって改元は、生きているうちに一度あるかどうかのこと。お客さまからは『新元号最初の日に婚礼がしたい。一生の記念になる』といった声を聞く」と話す。
5月1日は4月末からの10連休に重なる。東北の別のブライダル関係者は「旅行を計画する人や、のんびりと過ごしたい人にも配慮して、式は挙げずに婚姻届の提出を予定するカップルもいる」と話す。
一方、印刷業界では改元を見越してカレンダーを西暦表示にしているケース、領収書を「平成」の文字を省いた年月日だけにしているケースも少なくない。
それでも、商業印刷物などを手掛けている仙台市内の印刷会社関係者は「新元号を記念した出版物のほか、新元号に対応した企業の伝票や帳票、カレンダーなどの取引が今後、増える可能性はある」と見込む。