<新型たばこ>路上は規制?容認?議論の火種

路上喫煙を規制する条例がある全国の自治体で、火を使わず灰も出ない電気加熱型たばこ(新型たばこ)を対象とするかどうかの見解が割れている。仙台市など が、たばこの火による危害防止を図る条例を基に「危害の恐れはない」と規制から外す一方、横浜市はポイ捨て防止を目指す条例を根拠に「吸い殻が出る」と規 制。条例目的が判断の分かれ目で、じわり普及する新商品の規制議論は今後、火が付きそうだ。
新型たばこはたばこ事業法で通常の紙巻きたばこと同じ扱いだが、販売元の一つ、フィリップモリス・ジャパンは「臭いが少なく、出るのは煙ではなくほぼ蒸気」と違いを強調。禁煙の美容室や飲食店でも認める所がある。
仙台市は「現時点では禁止対象外」(市民生活課)との考え。4月1日に施行する歩行喫煙防止条例を踏まえ、「条例はたばこの火による身体・財産への危害防止が目的。危害を加える可能性は低い」と説明する。
同条例は議員提案で昨年6月に制定した。条例案を策定した作業部会で座長を務めた市議は「検討過程で新型たばこは議論の対象にならなかった」と言う。
新型たばこは条例案を検討していた当時、それほど意識されなかったようだが、昨秋以降、普及の兆しが出始めた。
路上喫煙防止条例がある大阪市は「火による周囲への危険性がない」と規制対象にしていない。路上禁煙地区を条例で定める名古屋市も同様の対応だ。
横浜市は空き缶や吸い殻の散乱防止条例に基づき、喫煙禁止地区を指定し、屋外で喫煙する際に吸い殻入れを携行するよう求めている。担当者は「条例は元来、 たばこなどのポイ捨て防止が目的。新型たばこも吸い殻が出る可能性がある」と話す。一般のたばこと法律上同じ扱いでたばこ税が課されていることも、規制理 由の一つという。
新型たばこの規制論議は今後、他の自治体でも熱を帯びそう。厚生労働省健康課は「条例である以上、あくまで自治体が判断する」と静観する。

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