トイレットペーパーが全国的に品薄となる中、市内に「王子ネピア」(東京)主力工場があり、同社製品=写真=を返礼品にしている愛知県春日井市でのふるさと納税申し込みが急増している。市は返礼品発送業務が追いつかないとして二日に受け入れを停止。再開時期は未定という。
市によると、トイレットペーパーやティッシュペーパーを返礼品に選んだふるさと納税の申し込みは今年に入ってから二月二十六日までにそれぞれ百六十件と六十六件だったが二十七日以降に急増。三月一日までの四日間だけで四百五十九件と八十件に上った。一人で十四件申し込んだケースもあったという。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、中国で紙製品生産が滞るなどとのデマ情報が飛び交い、トイレットペーパー買い占めが広がっている影響とみられる。市の担当者は「注目してもらえるのはありがたいが、デマ情報が影響したと思うと複雑な気持ち」と話す。
市は二〇一五年から同社製品をふるさと納税の返礼品に指定。一万五千円を寄付すると、二枚重ねのトイレットペーパー九十六ロールやティッシュペーパー六十箱(いずれも送料込みで六千円相当)を受け取ることができる。 (高岡涼子)