岩手、宮城両県の5市町が金を通して歴史や文化を伝える「みちのくGOLD浪漫(ろまん)」が日本遺産の認定を受けた20日、宮城県涌谷町では、町役場や町施設に垂れ幕を掲げるなど、祝賀ムードに包まれた。
推進協議会準備会は涌谷町に設置され、陸前高田市、岩手県平泉町、気仙沼市、宮城県南三陸町の4市町と連携して推進活動を展開してきた。
同日正午すぎに、涌谷町役場に「祝 日本遺産認定」と書かれた長さ6.4メートル、幅0.9メートルの垂れ幕を設置。同町の歴史館「天平ろまん館」の入り口にも認定を祝う木製看板を掲げた。
この日は、同町が20年以上前から受け入れる香港からのツアー客約30人が天平ろまん館を訪れ、看板の前で記念写真を撮るなどして認定を祝った。
2017年度に初めて申請してから3度目で認定を受けた。町生涯学習課の二瓶雅司主事は「『三度目の正直』で達成でき、5市町の担当者と喜び合った。今後も連携を深めて地域の資源を宣伝したい」と話した。
4月に急死した大橋信夫涌谷町長が、各自治体に赴いて協力を要請するなど熱心に取り組んできた。町長職務代理者の渡辺信明総務課長は「念願がかない、大橋さんが一番喜んでいるだろう」と思いやった。
31日には天平ろまん館で、5市町の首長が出席する認定式典を開く。6月以降、本年度の活動方針や組織づくりを進める。