日銀は21日、金融政策決定会合を開き、昨年4月に導入した大規模な金融緩和策を続けることを全員一致で決めた。消費増税に伴う駆け込み需要の反動減が出ているものの、日本経済への影響は想定の範囲内と判断。「緩やかに回復している」との景気の現状判断を据え置いた。
21日午後に黒田東彦(はるひこ)総裁が記者会見し、決定理由や景気認識などを説明する。
会合では、消費増税の影響や輸出の動向、緊迫化するウクライナなどの海外情勢が日本経済に及ぼすリスクを点検。15日に発表された1~3月期の実質国内総生産(GDP)速報で、前期比4.9%増と大きく伸びた設備投資の現状判断を前月の「持ち直しが明確」から「緩やかに増加している」に引き上げた。
日銀内では、消費増税後の消費の落ち込みは一時的で、夏ごろには回復軌道に戻るとの見方が強い。人手不足や賃上げの広がりを背景に、物価の上昇基調も続いているとして、2%の物価上昇目標に向けて「道筋を順調にたどっている」との従来の見方を維持する方向だ。【柳原美砂子】