東日本大震災の強い揺れで損壊した宮城県大崎市岩出山の国指定史跡・名勝「旧有備館及び庭園」で約5年間の復旧工事が完了し、18日に報道機関に公開された。26日に一般公開を再開し、5月31日まで入館料を無料にする。
公開されたのは、工事最終年度の2015年度に復旧・整備した付属屋内の常設展示施設と正門。展示施設には岩出山伊達家4代村泰が仙台藩の儒学者佐久間洞 巌に宛てた礼状や、3代宗親と村泰が妻を迎え入れた縁がある京都・冷泉家からの手紙など計67点の史料とレプリカ、解説パネルが並ぶ。
正門は柱が傾いたり、土壁が剥がれ落ちたりしたのを修復した。
江戸時代に岩出山伊達家の学問所だった旧有備館は震災で象徴的な建物だった御改所(おあらためどころ)(主屋)が倒壊。柱33本のうち30本が折れるなど したため、鉄骨を入れ震度6強の揺れに耐えられるよう復元した。家臣の控えの間などに使われた付属屋は倒壊を免れたが、礎石からずれるなどの大きな被害を 受けた。
復旧工事は11年5月に始まり、主屋と付属屋の復旧は昨年3月に終了。展示施設と正門の復旧が残っていた。
25日に関係者が完成式を行う。6月1日以降の一般公開は有料で、一般300円、高校生200円、小中学生150円。開館時間は午前9時~午後5時。月曜休館。連絡先は旧有備館0229(72)1344。