国立科学博物館は1日、国産の優れた工業製品などを登録する「重要科学技術史資料(愛称・未来技術遺産)」に、子犬型のペットロボット「AIBO(アイボ)」や胃腸消化薬「タカヂアスターゼ」など新たに25件を選んだと発表した。
AIBOは1999年、人工知能を組み込んだ家庭用の自律ロボットとしてソニーが発売した。人とコミュニケーションを取る中で学習し、育て方で甘えん坊や怒りん坊といった「個性」が出る愛くるしさが人気を呼び、約15万体が売れた。
タカヂアスターゼは世界的な化学者の高峰譲吉(1854~1922年)が開発を手掛けた消化薬。日本酒造りに使われる麹(こうじ)菌から抽出した酵素 「ジアスターゼ」を使い、日本では三共商店(現在の第一三共)が製品化した。100年以上を経た今も市販薬が売られている。
このほか、遠藤章・東京農工大特別栄誉教授が青カビから発見した物質から作られた低コレステロール薬「スタチン」▽国産初期の8ビットパソコンとして 「PC-8001」(NEC)など3点▽世界初の業務用レーザーディスクプレーヤー「PR-7820」(パイオニア)--なども選ばれた。
未来技術遺産の登録は2008年から始まり、今回で登録遺産は計209件になる。今月15日から10月4日まで、東京・上野の国立科学博物館でパネル展示がある。【斎藤広子】