東北中央自動車道の福島大笹生(おおざそう)-米沢北インターチェンジ(IC)間が開通した4日、山形、福島両県の関係者はそれぞれ産業振興や広域観光の活性化といった効果に期待を寄せた。
米沢市の米沢八幡原IC近くであった山形県側の開通式で、吉村美栄子知事は「関東圏、太平洋側との物流の効率化や観光交流の促進に期待している」とあいさつ。
山形おきたま観光協議会の内藤文徳副会長は「伊達政宗公が生まれ育った米沢と、城を築いた仙台が高速道路でつながる。仙台と置賜地域が一体となって周遊観光に取り組みたい」と話した。
一方、福島市の栗子トンネル近くで開かれた福島県側の開通式では、内堀雅雄知事が「新たな周遊ルートによる観光振興だけでなく、南東北全体のさらなる活性化につながる」と述べた。
式典の後、福島市観光コンベンション協会の渡辺和裕会長は「仙台空港に降り立つ外国人観光客を取り込むため、南東北の連携がより大切になる」と強調。「被災地ツアーなどで東京電力福島第1原発事故からの風評払拭(ふっしょく)にもつなげたい」と語った。
福島市のパート従業員佐藤麻紀さん(43)は「これまでは冬道の運転が怖かった。山形がより近くなり、ドライブも安全で快適になる。ブドウ狩りやサクランボ狩りなどに出掛けたい」と声を弾ませた。