日銀の青森、仙台、秋田、福島の各支店は14日、東北の主な夏祭りの人出をまとめた。14の祭りの合計は前年比1.0%増の1500万1000人で、東日 本大震災後、最多となった。増加は2年連続。今年3月の北海道新幹線の開業や外国人観光客の増加が後押した。震災前の2010年比は3.9%減だった。
各地の人出は表の通り。入り込み客数のトップは青森ねぶた祭の276万人で、仙台七夕まつり228万3000人、弘前ねぷたまつり168万人が続いた。前年を上回ったのは八つで、青森は四つの祭り全てが増えた。
青森の増加について、関係者への聞き取りでは「北海道からの入り込み客が増えた」との意見があった。新幹線開業や青森県・函館デスティネーションキャンペーン(7~9月)の効果とみられる。
仙台七夕まつりと弘前ねぷたまつりでは、地元を舞台とした漫画やアニメとタイアップしたイベントを展開するなど、新たな客層を狙った取り組みがあった。
外国人観光客の動向では「初めて海外個人客から直接予約を受けた」「アジアに加え、欧米の観光客も目立った」との声があった。海外の大型客船誘致や、昨年のミラノ万博での東北復興祭りパレードなどによる知名度向上が指摘された。
夏祭り関連ビジネスに関しては、消費意欲の旺盛さをうかがわせる声が多かった。期間中ほぼ満室となった宿泊施設が多く、五所川原市では行政や経済団体が「イベント民泊」を行う例があった。
調査は各支店が祭りの実行委員会や関連業界にヒアリングした。竹沢秀樹仙台支店長は「北海道新幹線の開通効果や運営団体の積極的な誘客が奏功した。外国人の東北の知名度も高まっている」と指摘した。