東北大は金属材料系ベンチャー企業「東北マグネット・インスティテュート(TMI)」を設立した。民間との共同出資で、モーターなどの電力ロスが従来品より小さくなる軟磁性合金「ナノメット」を生産、販売する。
出資総額は6億円。東北大と七十七銀行などが設立したファンドによる出資の第1号となる。ファンドが3億円を出資し、残る3億円はアルプス電気、NECトーキン、JFEスチール、パナソニック、村田製作所が等分で出資する。
社長にはアルプス電気から技術本部付主幹技師の阿部宗光氏(50)が出向して就任した。
ナノメットは、東北大金属材料研究所の牧野彰宏教授が開発した新素材。モーターや変圧器が電気を磁気に変換するときのエネルギー損失を従来品に比べて72%低減できる。
アルプス電気仙台開発センター(仙台市泉区)、パナソニック仙台工場(名取市)での量産を想定している。