<東北新幹線>車内販売に留学生を初採用、インバウンドへ新戦力 マレーシア人張さん、4ヶ国語で接客

JRの車内販売などを担う日本レストランエンタプライズ(東京)の仙台列車営業支店は、東北新幹線のアテンダントに初めて留学生を採用した。増加する訪日外国人旅行者(インバウンド)への対応に活躍するなど既に貴重な人材となっている。同支店は今後も採用する方針だ。
留学生アテンダントは宮城大食産業学群で食品開発やビジネスを学んでいるマレーシア出身の張悠淇(ティオ・ユキ)さん(19)。
昨年7月にアテンダントに採用された。商品知識や専門用語を身に付けて10月末に見習い乗務を始め、12月に独り立ち。週に1、2回、仙台-東京間などを担当している。
アテンダントにとってワゴンは「自分の店」。仙台駅構内の倉庫で、時間帯などによって売れる商品を考えながら積み込む。100キロ以上にもなるワゴンを押す速さやタイミングを考慮して車内を移動し、注文を受ける。売り上げを伸ばすには丁寧な接客が欠かせない。
指導役の同僚は「真面目で仕事熱心。日本語もすごく上達した」と信頼を寄せる。張さんは「『ワンカップ』が分からないといった苦労もあったが、語学力を生かせたり商品が売れてワゴンが軽くなったりするとうれしい」と話す。
英語、中国語、マレー語を操る張さんはインバウンド対応で先輩スタッフを助ける場面も多い。ホームや車内で座席やトイレ、エレベーターの位置に迷う乗客がいれば流ちょうな各国語で案内する。
JR東日本はインバウンド向けに乗り放題切符を販売するなどしており、東北新幹線は外国人乗客が増えている。
同支店の庄司美智夫副支店長は「日本語も含め4カ国語が使える張さんは心強い存在。留学生の採用は初めてで不安もあったが、今は安心して任せられる。今後も外国人スタッフを採用したい」と語る。
張さんは卒業後、日本で食品関連の仕事に就くのが目標だという。「アテンダントとして接客や正しい敬語を学び、将来に役立てたい」と意欲的だ。

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