日銀仙台支店は12日、4月の地域経済報告(さくらリポート)をまとめた。東北の景気は「緩やかな回復を続けている」とし、前回1月の基調判断を据え置いた。項目別では住宅投資の判断を2期ぶりに下方修正した。
住宅投資は「減少に転じつつある」から「減少している」に引き下げた。高水準に変わりはないが、東日本大震災の被災者の住宅再建など復興需要はピークアウトしている。
日銀の調査に、福島県の業者は「東京電力福島第1原発事故の避難者の移転需要がほぼなくなり、好調だった浜通り地方でも受注戸数が前年を下回る」と説明。宮城県の業者は「地価上昇を背景に持ち家(注文住宅)から分譲一戸建てに顧客がシフトした」と答えた。
生産は「緩やかに増加」を維持。業種別では、輸送機械のみ「高水準の生産を続ける」から「減少している」に引き下げた。汎用(はんよう)・生産用・業務用機械は、外需の好調を背景に増勢が強まっている。食料品は低調な動きとなっている。
公共投資は震災復興関連工事を主体に「高水準で推移」、設備投資は「緩やかな増加基調」、個人消費は「底堅く推移」、雇用・所得は「緩やかな増加基調」をそれぞれ維持した。
仙台支店は「住宅投資の高水準が、いつまで続くのか見通しにくい」と指摘した。