<東北産ホップ>産地高齢化 担い手不足深刻

ホップは冷涼な気候に適しているため、東北は1950年代から国内主要産地となってきた。一方、ビール市場の縮小や外国産の増加で国内産の生産量は年々減少し、高齢化による担い手不足に直面している。
東北農政局によると、2014年度の国内生産量は265トン。このうち98%に当たる259トンを岩手、秋田、山形、青森の4県で作っている。ただ、ピークだった80年代の約2000トンと比べ全国生産量は7分の1以下に落ち込んでいる。
サッポロビールと栽培契約を結ぶ岩手県北ホップ農協は、組合員29人のほとんどが60代以上。長井重男組合長(68)は「ホップは生産性が高くやりがいもあるが、後継者がいない」と肩を落とす。
キリンビールの契約農家がいる遠野市はことし、首都圏で新規就農者を募集した。応募した埼玉の20代男性に住居を提供し、5月から市内の農家で栽培技術を学んでもらっている。
遠野ホップ農協の佐々木悦男組合長(72)は「生産者になってもらえるようバックアップしていく」と強調。本田敏秋市長は「商品に遠野の名前が使われることは市民の誇り。特産品のホップを守らなければならない」と話した。

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