東北電力は10日、電力小売りが全面自由化される4月1日、首都圏で一般家庭向けの電力販売に参入すると発表した。東北電が東北6県と新潟県以外で、家庭向け電力の小売りに乗り出すのは初めて。
供給先は東京など8都県と静岡県の一部。同日発表した首都圏向け料金プラン「よりそう、でんき」は、契約電流60アンペア以下の家庭が対象となる。
契約電流30アンペア、月平均使用量300キロワット時の標準的な家庭で料金は月7670円。東電より月194円、年間で最大約2300円安くなる。
送電コストなどを踏まえ東北電管内(7637円)よりは高く設定した。月使用量が250キロワット時未満か、400キロワット時超では東北電の方が高くなる場合がある。
ウェブサービス「よりそうeネット」への加入が条件で、11日から受け付ける。検針票のウェブ確認などでポイントを付与し、ご当地商品との交換や復興支援の寄付、他社共通ポイントに使うことができる。
東北電は初年度で加入1万件、十数億円程度の増収を見込む。「シンプルで分かりやすいプランにした。東北出身者などに広くアピールしたい」と説明する。
東北電の域外販売としては、昨年10月に東京ガスと設立した「シナジアパワー」がことし4月、北関東3県で工場などの大口事業者向けに電力供給を始める。