<東北DC>21年に初の半年開催 広域観光へ6県スクラム

東北6県とJR東日本は4日、JRグループ6社や自治体などが連携して取り組む大型観光宣伝「デスティネーションキャンペーン(DC)」を2021年4~9月に東北で実施すると発表した。6県でのDC開催は旧国鉄時代の1985年以来、36年ぶり2度目。東日本大震災から10年の節目に被災地の復興を全国にアピールし、6県が一丸となって誘客を図る。

 DCの期間は通常3カ月程度で、半年に及ぶ長期開催は初めて。震災復興の発信に加え、20年東京五輪・パラリンピック後の誘客も見据え、県境を越えた観光基盤づくりで、訪日外国人旅行者(インバウンド)を含む交流人口の拡大を目指す。7月までに推進組織を立ち上げる。
 仙台市内で同日、村井嘉浩宮城県知事ら6県の知事・副知事とJR東日本が記者発表を行い、JR側が知事らに開催決定通知書をそれぞれ手渡した。
 村井知事は「21年は国の復興・創生期間が終わった直後で、新たなステージに向かう年。6県が力を合わせ、足し算だけではなく掛け算、2乗3乗の力を発揮できる」と期待を込めた。内堀雅雄福島県知事は「東北DCをきっかけとして(東京電力福島第1原発事故による)風評を払拭(ふっしょく)し、福島、東北をもっと元気にしていきたい」と述べた。
 坂井究(きわむ)JR東日本仙台支社長は「震災復興に向けた広域連携とインバウンド対応がポイント。利用客が広域に動けるよう、他の交通機関との結び付きを強めたい」と強調した。

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