東北経済連合会は4日、2017年度から3年間の中期事業計画を発表した。新潟を含む東北7県の知事や企業、地方銀行トップが地方創生や産業創出の課題を話し合う広域連携プラットホーム「わきたつ東北戦略会議」(仮称)を18年度に設立することなどが柱。持続可能な地域社会を7県一体で目指す。
中期事業計画は、今年1月に発表した東北の将来像と戦略を描く新長期ビジョン「わきたつ東北」を具体化させる内容。東日本大震災以降の環境変化を踏まえ、八つの戦略項目ごとの取り組みを盛り込んだ。
17年度は24事業を実施。「わきたつ東北戦略会議」の設立に向け、各県知事と産学官、金融機関の代表者ら約20人が7月にセミナーを開き、合意形成を図る。より幅広い関係者が参加する「東北産学官金サロン」(仮称)を開催し、多様なマッチングの場として地域の競争力を強化する。
産業関係は、超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」や東北放射光施設の誘致実現へ、受け入れ態勢などを決める。地域産品の輸出拡大に向け、10月に米ロサンゼルスで「東北フェア」を開催。外航クルーズ船の誘致も挙げた。地域で活躍する女性経営者の会を17年度に設ける。
18年度には、個別企業や大学の枠を超えたインターンシップ制度を創設し、若者の域内定着を目指す。
事業は毎年度検証し、年度ごとに数値目標を定める。17年度の主な事業の数値目標は表の通り。
斎藤幹治常務理事事務局長は「7県の未来への船頭として、従来の経済団体の枠組みを超えて主体的に取り組む。ネットワークを構築し、目指す将来像を共に創りたい」と述べた。
東経連の事業計画は、これまで単年度ごとに策定しており、3カ年計画は初めて。30年を目標年次とする長期ビジョンの実現を目指し、東経連は事業活動を行う委員会の数を9から4に再編した。