<東経連>持続可能な地域提唱 新ビジョン

東北経済連合会は25日、2030年を目標年次に、新潟を含む東北7県の将来像と戦略を描く新たな長期ビジョン「わきたつ東北~結び、はぐくみ、未来をひらく」を発表した。東日本大震災以降、深刻化する人口減少と少子高齢化を前提にしながら、産学官と金融機関による連携と産業創出、観光振興などにより、定住と環流(U・I・Jターン)を促進し、持続可能で豊かな地域社会を東北一体で目指す理念を掲げた。
新ビジョンは、暮らし心地ややりがいを実感できる地域の姿を「わきたつ」と表現。戦略の柱として▽地域社会の持続性と魅力を高める▽稼ぐ力を高める▽交流を加速する-の三つを設定し、八つの重点項目を打ち出した。
30に上る具体策では、7県知事や企業、地方銀行トップが課題を話し合う「わきたつ東北戦略会議(仮称)」の設立を明記。個別企業や大学の枠を超えた横断的なインターンシップ制度を創設し、域内への就職促進を図る。産学官と金融機関の関係者が参加する「東北産学官金サロン(仮称)」で経済分野の枠組みを超えたマッチングを図る。
ほかに超大型加速器「国際リニアコライダー(ILC)」と東北放射光施設の誘致実現、農林水産業の地域ブランド育成、名品認定事業による情報発信といった方策を列挙し、数値目標=表=を示した。年度内につくる3カ年中期事業計画(アクションプラン)で具体化し、毎年度検証する。
海輪誠会長は「震災からの自立的復興と、人口減少の中でも持続可能な地域社会形成のため、定住促進と環流に焦点を絞った。東経連が主体となり、行政の垣根を取り払った取り組みを進める」と話した。
長期ビジョン策定は6回目で07年以来10年ぶり。経済関係者と有識者で構成する策定委員会が昨年7月から議論を進めてきた。

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