松島町のマリンピア松島水族館を運営する仙台急行の西條直彦社長(68)は営業最終日の10日、水族館で記者会見し「2100万人のお客さまを迎えること ができた。やってきてよかったと実感している」と述べた。「今後は別な形で海の素晴らしさを伝える仕事をしたい」とも語り、社名を「マリンピア」に変更す る考えを明らかにした。
印象に残る出来事として、マンボウの飼育日数の世界記録更新、南米で展開したイロワケイルカの捕獲作戦を挙げ「まさに冒険だった。よくやったなと思う」と振り返った。
水族館の特徴について「ペンギンやアシカなど生物との距離が近い水族館を目指した。リピーター客の獲得につながったと自負している」と話した。
仙台市宮城野区に7月に開業する「仙台うみの杜水族館」と業務委託契約を結び、飼育担当職員や生物類を移す。「新しい水族館にバトンタッチをする。これまで以上に足を運んでほしい」と強調した。
閉館の心境を問われると「本当はこの場所で建物をリニューアルしたかった。自分の代で閉館することは(1927年に開館した)初代館長に申し訳ないと思っている」と複雑な思いを打ち明けた。
仙台うみの杜水族館を運営する横浜八景島(横浜市)の布留川信行社長(65)が会見に同席し「松島水族館のDNAを受け継ぎ、地域に愛される水族館に育てたい」と語った。