東北楽天の梨田昌孝監督が18日、仙台市のコボスタ宮城で行われている秋季練習に初めて合流した。ユニホーム姿の披露はお預けとなったが、クリムゾンレッドのチームウエアを身に着け、「僕も一員になった。東北の皆さんと一緒に戦える」と新たな一歩を踏み出した。
チームは2013年の日本一から2年連続でパ・リーグ最下位に沈んだ。練習前の円陣で選手たちに「借金30、40はあり得ない。必ず(勝率)5割前後でいける。個々の良いところを監督、コーチが引き出すので頑張ろう」と呼び掛けた。
ブルペンでは則本昂大、松井裕樹両投手の投球練習を見守った。「(球が)うなっていた。今、受けたらたぶん骨折でしょう」と冗談交じりで振り返った。
2年目で球団新記録の33セーブを挙げた松井裕を先発に戻すかどうかについては「2年目で抑えでは(選手として)短命になると思う。今は答えは出ない」と語った。
日本シリーズに出場するヤクルトとソフトバンクを例に「優勝するチームは後ろ(試合終盤)でひっくり返されない」と抑えの重要性を強調。故障のため、今季1軍での登板がなかったミコライオ投手の状態を踏まえ、今後、抑え候補を見極めていく意向を示した。
練習中は若手からベテランまで積極的に話し掛ける姿が目立った。海外移籍も可能なフリーエージェント(FA)の権利を得ている嶋基宏捕手については「失点 を減らせる捕手だと思う」と評価し、「(チームに)残ってもらえると思う。(いなければ)計算が立たない。信頼している」とラブコールを送った。
球場を訪れた約1200人のファンに笑顔で手を振ると、大きな拍手がわき起こった。「梨田では親しみがない。『ナッシー』と呼んでほしい」と、ファンサービスにも熱心だった。
梨田監督は20日まで秋季練習に参加する。