東日本大震災で被災したJR気仙沼線と大船渡線の復旧方針をめぐり、JR東日本が鉄路復旧を断念し、バス高速輸送システム(BRT)を存続させる方針を固めたことが20日、分かった。国土交通省で24日に開かれる沿線自治体首長会議の第2回会合で提案する見通し。
関係者によると、JR東と国交省の担当者が16日、岩手、宮城両県の沿線自治体を訪問。今後の会議の進め方などについて協議した。JR東はBRTについて存続を前提に、便数の増加や路線の拡充といった利便性を高める姿勢を強調。鉄路復旧の考えは示さなかった。
6月にあった首長会議の初会合で、JR東は両線の復旧に掛かる費用が計1100億円に上るため、全額負担は困難との考えを表明。震災前から両線の利用が低迷しており、鉄路復旧に消極的な姿勢を示した。
首長側は「次回会合までに方向性を示してほしい」とJR東に要望していた。
首長会議は宮城県が気仙沼市、登米市、南三陸町、岩手県は大船渡市、陸前高田市の沿線5市町の首長と宮城、岩手両県、国、JR東で構成する。