宮城県気仙沼市の大島と本土をつなぐ気仙沼大島大橋が開通した7日、島内からは「本土と自由に行き来できるようになった」と歓迎する声が相次いだ。一方、開通に伴う渋滞が島内各所で発生。観光客の受け入れ態勢不備を不安視する声も上がった。
島内の無職村上守彦さん(65)は午後3時の開通後、車で本土に渡った。「本土まで片道18分だった。これまでちょっとした買い物でも時間がかかっていたので、早くて快適だ」と話した。
会社員の村上由利子さん(50)は毎日、フェリーで本土側の気仙沼市内に出勤していた。「これからは船の時間を気にしなくていいので、気持ちがとても楽になった」と笑顔を見せた。
開通後、島内は多くの車であふれた。午前中のうちにフェリーを使って自家用車で乗り入れた秋田市の無職池田豊一さん(77)は「橋を渡る時、島に向かう対向車線は大渋滞だった。使い勝手がよくなっても、これが続くようでは島民がかわいそうだ」と話した。
市が島の玄関口浦の浜地区に整備する観光拠点は完成がほど遠い。関連する県道工事などの遅れに伴い、完成時期はこれまで幾度となく変更を重ねた。
廻舘地区で食料品や日用雑貨などを扱う渡辺まゆみさん(59)は「観光施設も道路も整備が進んでいない。観光客が訪れてくれても、がっかりして帰られては…」と心配していた。