<汚染土壌輸送>車両情報、国が管理 環境省が計画案を公表

 東京電力福島第1原発事故に伴って福島県内に建設する中間貯蔵施設について、環境省は18日、県内各地に仮置きされている汚染土などを施設に輸送する際の計画案を公表した。輸送経路など車両情報の一元把握、放射線量のモニタリングに取り組み、新たな被ばくや交通事故の発生の回避を目指す。
 環境省が同日開催した専門家でつくる検討会に提示した。
 計画案によると、一般道に比べて住宅から離れている高速道を最大限利用する。その上で、全地球測位システム(GPS)を活用し輸送車両の移動状況を把握。国が自治体の協力も得て、その情報を一元管理する。また、沿道の住民には、輸送状況とともに、放射線量や騒音などのモニタリング結果を提供する。輸送完了のめどについては「できる限り短期間」にとどめている。
 汚染土は推計約2000万~3000万立方メートル。仮置き場は今年3月末現在、計画中を含め828カ所あり、それ以外に自宅の庭先に置いているケースがある。
 佐藤雄平知事は今月1日、同県大熊、双葉両町での同施設の建設受け入れを容認する見解を政府に伝えた。しかし、環境省の試算では、輸送を3年間で完了する場合、1日当たり約2000台の10トントラックが必要とされ、住民は環境悪化を懸念。環境省が対応策を検討していた。
 政府は今後、この計画案を地元自治体に説明、理解を得た上で、来年1月の汚染土の搬入開始を目指す。【渡辺諒】
◇中間貯蔵施設への汚染土などの輸送計画案骨子
・搬出量、輸送経路などを国が把握・管理
・交通事故を防ぐための時間帯設定
・事故に備えた作業員らへの教育や訓練の実施
・放射線、騒音や振動などの測定
・相談窓口の設置

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