東北大大学院情報科学研究科と八戸高専などの研究グループは30日、水の勢いで空中に浮き上がるホース状の消火ロボット「ドラゴンファイヤーファイター」を開発したと発表した。3年後の実用化を目指し、耐火性能の向上やホースの延長、ノズルモジュールの小型化を進める。
消火ロボットは長さ約3メートル。4カ所から水を勢いよく噴射するノズルモジュールを二つ搭載する。水の方向を自動的に変えて体勢を制御しながら、最大約1.5メートル浮上する。ノズルの制御技術で浮上時の安定性が増し、進入方向を選べるようになったという。
現在、大規模火災現場では建物内に直接放水することは困難で、周囲に放水して延焼を防ぐしか手だてはない。消火ロボットは建物内の火元に直接放水できるため、消火と救助の迅速化が期待される。
グループは空気噴射でがれきを乗り越える災害救助ロボットも開発中で、消火ロボットの制御装置に同様の技術を用いた。
ノズルモジュールの開発に関わった八戸高専の円山重直校長(熱流体力学)は「将来的には消防車の標準装備として、一般の木造家屋の消火にも活用できるようにしたい」と話した。