宮城県は住宅政策の基本指針となる「県住生活基本計画」の改定案をまとめた。増加傾向が続く高齢世帯など住宅の確保が難しい「要配慮者」に住宅を提供するため、東日本大震災の被災地に建設された災害公営住宅の活用方針を盛り込んだ。
2016~25年度の10カ年計画で、本年度中に策定する。法令で定める要配慮者(低所得者、高齢者、災害被災者、外国人ら)のうち、県は高齢者人口の増加を予測。県人口に占める65歳以上の割合は15年の約26%(約59万人)から20年に29%(65万人)、25年は31%(68万人)に達する。
計画案では、18年度までに完成する災害公営住宅計1万6000戸弱と、既存の一般の公営住宅約2万8000戸を活用。転居などによる空き室の発生を踏まえ、要配慮者向けの提供戸数を10年間で合計2万8000戸程度と見込む。
一般の公営住宅は、老朽化に伴う建て替えを除いて新規建築はしない。県住宅課は「長期的な人口減に対応していく」と説明する。