東日本大震災で被災した宮城県名取市閖上地区で23日、第1期の一戸建て災害公営住宅90戸の整備に向けた安全祈願祭があった。同地区で災害公営住宅の建設が始まるのは初めて。最初に25戸の整備に着手し、来年6月末の完成を目指す。
建設場所は海岸線から約2キロ内陸で、閖上の土地区画整理事業区域では最も西側に位置する。水田を造成した宅地約1万9000平方メートルに90戸を整備する。
最初に建てる25戸は、平屋の1LDK・2LDKの12戸と、2階建ての2LDK・3LDKの13戸。全て木造の高気密・高断熱仕様とする。地元の建設関連業者でつくる一般社団法人「市復興公営住宅建設推進協議会」が施工する。
安全祈願祭には市や工事関係者ら約70人が出席し、くわ入れを行って工事の無事を祈った。佐々木一十郎市長は「これまでの道のりを思うと感慨ひとしおだ。今後も被災した方々が笑顔を取り戻し、明るい希望を持てるまちづくりに取り組む」とあいさつした。
市は第1期として、ほかに集合タイプの災害公営住宅140戸を整備する。閖上地区全体では、2018年12月までに計524戸を整備する計画だ。