宮城県南三陸町は26日、東日本大震災の被災者対象に整備した災害公営住宅に空きが出たため、入居条件を被災者以外にも広げた一般募集を10月15日に開始すると発表した。一般募集は県内では大崎市、涌谷町に続いて3例目で、沿岸自治体では初めて。
被災者以外に入居を受け付けるのはいずれも一戸建ての名足復興住宅3戸、入谷復興住宅1戸で間取りは3DKか4DK。収入要件を満たし、町外からの移住者であれば、単身でも入居できる。
災害公営住宅への被災者以外の入居を巡っては、県は被災者を優先させるため、各自治体に全戸が完成してから募集することを条件としていた。南三陸町が早期の募集開始を要望した結果、県は8月、全戸の完成を待たず、全戸が着工していれば、被災者以外にも入居を募集できると条件を緩和した。佐藤仁町長は記者会見で「町に移住して応援したいという思いがあっても、住宅がないため他市から通っている人も少なくない。今後、防災集団移転団地の空き区画の開放も検討したい」と話した。
町によると、整備する738戸のうち、少なくとも65戸の空きが見込まれる。名足、入谷の住宅は入居開始から2年以上がたつため、一般募集することに決めた。町の広報やホームページで募集要項を掲載する。連絡先は町建設課0226(46)1377。