<生食カキ>うま味ぷりっと 出荷スタート

 宮城県漁協による今季の生食用カキの出荷が10日、始まった。猛暑や相次いだ台風などの影響で、県が指針に定める9月29日から遅らせた。浜では殻むき作業が行われ、活気にあふれた。
石巻市渡波の県漁協石巻湾支所の「万石浦鮮かき共同処理場」では生産者と家族ら約180人が、9日に水揚げし、滅菌処理されたカキの殻を手際よくむいていった。県漁協かき部会の高橋文生部会長(66)は「やや小粒だが、甘くておいしい。これから寒くなれば、より実入りが良くなる」と話した。
県漁協は今季、昨季より約100トン少ない1600トンの生産を見込む。初日の入札価格は10キロ当たり平均3万7642円で、昨年を約3割上回った。県漁協は「出荷が遅れ、(市場)に待望感があった」とみる。
生食用カキの解禁を巡っては、実入りの状況などから県漁協が指針日からの延期を申し合わせていたが、水産業復興特区の適用を受けた石巻市の桃浦かき生産者合同会社が9月29日に出荷を始め、県漁協が「フライングだ」と抗議した。

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