頂点に立った東海大相模は投打ともに戦力が充実していた。本格派の投手をそろえ、左腕小笠原が2試合、右腕吉田が3試合とバランスよく先発。鋭いスイングから長打を量産した打線は全5試合で2桁安打をマークし、持てる力を余すことなく発揮した。
準優勝の仙台育英は上位から下位まで打線に切れ目がなく、6試合で72安打を放った。中でも、プロ注目の3番平沢は3本塁打をマーク。秋田商との準々決勝では先制本塁打を放つなど、要所で試合の流れを引き寄せた。このほか、2番青木、4番郡司らも勝負強さを発揮した。
投手陣は、宮城大会で不調だったエース佐藤世が調子を取り戻し、ほぼ一人で投げ切った。ダイナミックな投球フォームから140キロを超える直球と落差の大きいフォークボールを内外角低めに投げ分け、準決勝の早実戦は6安打完封したが、決勝では10失点して力尽きた。
ベスト4を関東勢が3校占め「東高西低」が顕著な大会となった。早実は注目の1年生清宮が2本塁打を含む19打数9安打8打点と前評判にたがわぬ大活躍。 朝から球場に駆けつけた多くのファンの期待に応えた。関東第一のオコエは俊足を生かした三塁打や華麗な守備で観客を魅了した。
近年、躍進が続く東北勢では秋田商の成田翔が初戦で16三振を奪う快投が光った。花巻東も3回戦で仙台育英と互角に渡り合い、存分に力を見せつけた。
その一方で、西日本のチームの不振が際だった。九州から2校が8強入りしたものの、地元近畿勢は3回戦に進んだのが初代王者、京都二中の流れをくむ鳥羽のみという寂しい結果となった。四国勢は27年ぶりに全校が初戦で姿を消した。
春夏連覇を狙った敦賀気比は選抜大会を一人で投げ抜いたエース平沼が本調子ではなく、2回戦で敗退。史上8校目の偉業は成らなかった。
最高気温が35度前後あった大会前半は熱中症を原因とする選手交代も相次いだ。両手のけいれんで途中降板した投手もおり、水分補給の重要性を感じさせた。