82万人を超える在日中国人。その人口の多さから、日々存在感が高まっており、とくに東京では、経済的に裕福な人が増えている。昼間は会社員として安定的に仕事をしながら、副業で稼いだり、自宅以外に複数の不動産を所有し、家賃収入でリッチな生活を送っている人も珍しくない。
最近では、中国のSNS、ウィーチャット(微信)を用いた脱税が目立ち始めているという。ウィーチャットにはお金の送受信ができる決済機能もあり、中国人コミュニティ内で大量に物が売買されている。
在日中国人に関連した問題が露見しつつある
最初から脱税を念頭に置いているケースもあれば、顧客の利便性を考えて、たまたま中国の決済機能を選んだだけ、という場合もあるため、どこまで脱税の意識があるかはわからない。だが今、日本で中国の決済機能が使えてしまうおかげで、結果的に、日本で納税義務を果たしていない在日中国人が増えていることは確かだ。
悪質性がある一例として、白タク(違法タクシー)行為がある。ジャーナリストの周来友氏も「ニューズウィーク日本版」(2024年11月5、12日号)で紹介していたが、これが、ここ数年、社会問題のひとつとなっている。
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白タクとは、営業許可を得ずに自家用車などでタクシー業務を行うことで、道路運送法違反になる。しかし、日本に観光にやってくる訪日中国人の中には、この利用者が少なくない。
以前は、中国人客が在日中国人の友人にウィーチャットで配車依頼をし、その在日中国人にウィーチャットペイで支払い、空港やホテルまで送迎するという単純な方法を取ることが多かった。
その際、在日中国人は警察から質問されても「友人を迎えにきただけ」といい、金銭の授受が確認できないことが多かったが、最近では、その手口が巧妙化、組織化している。
読売オンライン(24年10月21日付)の記事によると、先月、福岡市で白タク行為をしたとして中国人グループが逮捕された。その仕組みは、中国に住む人がツアーやガイド、タクシー予約に利用するアプリを使い、そこに容疑者が登録。観光客から配車予約が入ると、中国系SNSで車の提供者や運転手を募集。
別の容疑者が自家用車を貸して、さらに別の容疑者が中国から来た家族を観光に連れていった。同記事によると、捜査幹部は「一人ですべてを担うより、空いている人を募るほうが客の要望と調整しやすいのではないか」と指摘している。
指示役(手配役)が運転手などをSNSで募り、それぞれが仕事として役割分担するやり方は、まるで今、日本で問題になっている「闇バイト」のような構造だ。ここでも、中国から来日する人の支払いは、おそらくウィーチャットペイだろう。
ほかに、高田馬場に多い中国系大学受験予備校での授業料の支払いや、中国系企業同士の支払いなどもウィーチャットペイを使えば、日本の銀行口座と関係ないので、脱税できる可能性がある。
ガチ中華料理店の場合は日本人顧客もいるし、現金利用、ペイペイ利用など、さまざまな決済方法を使うので、それ(脱税)は難しいかもしれないが、中国人だけのやりとりなら可能だ。また、日本の百貨店、家電量販店の多くでも主にインバウンド客のため、ウィーチャットペイは正式に利用できる決済方法だ。
脱税金額は想像がつかないほど膨れ上がる
知人の中国人数人に聞いてみたが、脱税の金額はあまりに莫大なので「とても想像がつかない」とのことだったが、在日中国人の人口の多さや、過去にインバウンド客に対して不適切な免税販売を行い、追徴課税された日本の百貨店などの例もあるので、その額は少なくとも数千億円以上ではあるだろう。
最近、東京国立博物館で開催中の「Hello Kitty展」で、キティちゃんの50周年の限定グッズが発売された際、中国人らしき転売ヤーが多数押し寄せ、買い占めたことがXなどSNSで大きな問題になった。転売ヤーもほぼウィーチャットペイなど中国の決済機能を使っており、中国の「閑魚」などフリマアプリ上で、これらのグッズを定価の4~5倍の高値で売っている。免税購入した商品の転売行為も同様だろう。
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場所はこの「日本」で行われている行為なのだが、日本の銀行口座を介さない中国の決済機能がここまで在日中国人社会、あるいは日本の商業施設にも浸透し、日常的に利用されている―――。
このことは、さらに大きな社会問題を引き起こすことにつながる可能性があるのではないか、と考えさせられる。