青森県と秋田県にまたがる世界自然遺産・白神山地に生育するブナの巨木「マザーツリー」が、台風21号による強風の影響で真っ二つに折れていたことが7日、分かった。
青森県などによると、6日午後、同県西目屋村の津軽峠付近で県職員が確認した。推定樹齢400年超のマザーツリーは高さ約30メートル、幹回り約4.7メートル。幹は地上約9メートル付近から折れていたという。
白神山地全域の国有林を管理する津軽森林管理署(弘前市)は、環境省や県などと、折れた幹の撤去などを含めた対応を協議する。マザーツリー以外にも、林道にブナの折れた枝が散乱している被害があるという。
マザーツリーは、大きさと樹齢の長さから白神山地を象徴するブナとして注目されていた。西目屋村の関和典村長は「マザーツリーに続くブナの巨木を400年後にも見ることができるよう、白神山地を次世代に伝えるべく取り組んでいく」とのコメントを出した。
青森地方気象台によると、マザーツリーがある西目屋村に隣接する弘前市では4日午後11時20分ごろ、台風21号の影響で最大瞬間風速22.2メートルを記録。9月の最大瞬間風速としては、2008年の同地点での観測開始以降で最大となった。