仙台港周辺で火力発電所建設が相次いでいることを受け、仙台市は16日の市環境影響評価審査会で、市内へのさらなる石炭火発建設の自粛を強く求める行政指導指針を定める方針を明らかにした。市によると、同様の指針策定は全国初。
市は指針に基づき、建設を検討する事業者に自粛を要請。それでも検討を続ける事業者には、市条例に基づく環境影響評価(アセスメント)の手続きに入る前の段階で、環境影響を考慮した複数の計画案作成と自主アセス実施を要望する。説明会開催や市民意見聴取も求める。
立地規制ではなく自粛要請にとどまった背景を、樋口千恵環境共生課長は「法律に合致した立地計画を規制するのは難しい。任意の制度とすることで事業者の姿勢が厳しく問われることになる」と説明した。
市は自粛を求める理由として、市民から不安の声が出ていることを挙げた。委員からは「石炭火発を抑制する決断をした明確な理由が分かりにくい」などの意見が出た。
市は今後、より詳細な指針案を審査会や市議会に諮り、早期策定を目指す。