福島沖地震から一夜明けた23日、宮城県松島町磯崎で地元産カキを味わってもらう「松島大漁かきまつり」が開かれた。県内沿岸では、津波の影響でノリの養殖施設などで流失被害があった。松島湾でも津波が観測されたが、カキの養殖施設に大きな被害は確認されておらず、漁業関係者は「開催できてよかった」とほっとした表情を見せた。
県漁協松島支所では地震が発生した22日、午前中はカキむきをいったん中止し、津波警報の解除を受けて午後に再開した。23日は午前5時に作業を始め、まつりで販売するカキを用意した。
カキ料理の無料試食コーナーには100人を超える列ができた。先頭に並んだ仙台市の佐藤美津子さん(63)は「毎年楽しみにしている。今年もおいしそう」と笑顔を見せた。
津波を伴う地震の翌日だけに、開催しているかどうか半信半疑のまま来場した人もいたという。
県漁協松島支所運営委員長の高橋幸彦さん(62)は「予定通り開催できてよかった」と喜ぶ一方、「もう少しお客さんが来ると思ったのだが、やはり地震が影響したのかもしれない」と話した。