秋保温泉(仙台市太白区)の旅館や仙台市内の企業が今秋、アウトドア関連のイベント会社「アキウ ツーリズム ファクトリー」を共同で設立する。温泉周辺の自然を生かしたバンジージャンプやサイクリングなどのツアーを企画し、新たな客層の開拓を図る。
中心メンバーは、ホテル佐勘や緑水亭といった有力旅館、ワイン生産を手掛ける仙台秋保醸造所など秋保地区の経営者ら。外国人観光関連会社のライフブリッジ(泉区)、ネットPR・地域商品開発のマイティー千葉重(宮城野区)なども参加する。
宮城県蔵王町を中心にアウトドアスポーツの企画や運営を行うザオック(宮城県川崎町)が協力する。秋保地区の見どころを回るサイクリングや、体一つで渓谷を下る「キャニオリング」などを検討している。
秋保温泉は抜群の知名度を誇る一方、観光地としては若者や家族連れ、外国人旅行者が比較的少なかった。客層を広げようと、約3年前から関係者で構想を練り始めた。
新会社の出資計画やツアーの詳細などは今後詰める。今年秋に会社を設立し、実際のサービス提供は来春になる予定。佐勘の佐藤勘三郎社長は「温泉街のイメージが強く、客層も限定的だった。温泉以外も楽しめる場所にすることで、地域が活気づくようにしていきたい」と話した。