<積水ハウス>復興の柱に地元産木材

住宅メーカー大手の積水ハウスは、東日本大震災の災害公営住宅に地元産の建材を積極採用している。同社の木造の災害公営住宅では9割の物件で使用。阿部俊則社長は「地元産業の復興への貢献の意味がある。今後も採用していきたい」と話す。
同社は岩手、宮城、福島の被災3県で447棟1070戸の災害公営住宅を手掛けてきた。木造は330戸で、このうち306戸で岩手、秋田、福島など各県産の木材を使用した。
岩手県大槌町大ケ口の長屋型の3棟14戸では、柱などの構造材に同県産の杉を採用した。福島県浪江町幾世橋地区の一戸建て85戸でも柱として同県産杉を使用。このほか被災3県の重量鉄骨物件(3、4階建て)では壁の下地材などに地元材を使っている。
同社は東松島市赤井地区にある「スマート防災エコタウン」のシステム構築を担うなど、被災地での事業に取り組んできた。地元からの社員採用にも力を入れ、東北の積水ハウスグループの社員数(約7000人)は、震災のあった2011年に比べ約630人増えているという。
阿部社長は「建築に携わる職人さんも地元優先で協業を進めている。被災地では雇用の確保が一番大切。これからも地域に密着した活動を進めていきたい」と語った。

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