環境省は18日、地球温暖化対策のため、自動車の燃費を20年までに現状(05年)から最大65%改善させる方針を固めた。ハイブリッド車や電気自動車などの次世代車の販売割合を5割まで高め、従来車(ガソリン車)についても、燃費を大幅に改善したモデルに置き換えていく。
政府は20年に温室効果ガスを最大25%(90年比)削減する中期目標を掲げている。燃費改善方針は、目標達成に向けた行程表素案の主要項目として同日、中央環境審議会の小委員会に提出された。
自動車からの温室効果ガス排出は、運輸部門の排出量全体の9割を占める。このため同省は、公共交通の利用促進などと併せて、自動車の燃費の大幅改善が必要と判断した。
素案によると、従来車の燃費は08年までの10年間に約3割改善した。次世代車の普及と従来車の燃費改善とが並行して進めば「燃費の65%改善は可能」と分析している。
環境省は行程表を完成させ、政府の計画として来年度以降に閣議決定、目標達成を目指す。しかし、中期目標の根拠となる地球温暖化対策基本法案は国会で成立のめどが立っておらず、今後の行方は不透明だ。【江口一】