宮城、山形両県にまたがる蔵王山(蔵王連峰)に出されていた火口周辺警報の解除を受け、蔵王エコーライン(宮城県蔵王町-上山市、26キロ)が22日午前、全線開通した。例年より約2カ月遅れでの通行再開となり、観光関係者は誘客の挽回を誓い合った。
刈田峠駐車場での開通式には、両県の関係者約200人が出席。村井嘉浩宮城県知事は「両県にとって大切なお山の一つ。正しい情報を適時適切に提供し、皆で 力を合わせてPRしたい」と述べ、吉村美栄子山形県知事は「蔵王とサクランボが楽しめる季節。両県の連携を強め、国内外の誘客に取り組む」と話した。
午前8時半に両県のゲートが開き、約13キロの通行止めが解除された。宮城側で一番乗りした名取市のアルバイト虻川和宗さん(20)は「待ちに待った日。お釜も見ることができて満足」と話した。
エコーラインから刈田岳山頂近くの蔵王レストハウスに至る有料道路「蔵王ハイライン」も開通し、宮城県は7月末まで通行を無料化した。山形県も蔵王刈田リフトを8月末まで無料にし、観光客の誘致を図る。
両県と関係市町村などでつくる火山防災協議会は自主防災対策として、お釜を含む想定火口域(馬の背カルデラ)への立ち入りを規制するとともに、登山道2カ所を閉鎖している。