<貞山運河>御舟入堀へ観光客を

貞山運河を地域振興につなげる方策を検討してきた宮城県塩釜市民らが、新たに貞山運河「御舟入堀」プロジェクトを設立した。運河に関するイベントや視察研修といった事業を展開し、観光客を呼び込めるルートの開拓を目指す。
プロジェクトには、地域史や土木の有識者らも参加。49キロに及ぶ貞山運河のうち、塩釜港から七北田川河口を結ぶ「御舟入堀」に着目した。活動方針に (1)新たな観光ルートの開発(2)運河を生かした交流人口の拡大(3)子どもたちへの教材としての活用(4)他地区の運河群との連携-などを掲げた。
最初の事業として、塩釜市など運河沿いの住民を対象に、認知度や活用方法について意識調査を実施する方針。
設立総会は2日、塩釜市内のホテルで開かれた。会長の武田せつ子さん(同市)が「貞山運河は伊達政宗の名を冠された歴史的な土木遺産。民間だからこそできる活動を続け、共感の輪を広げたい」と述べた。
武田さんら市民有志は2014年12月から、貞山運河に詳しい講師を招いて勉強会を重ねたり、船に乗って運河をたどったりして、活用策を探ってきた。
御舟入堀は全長約7キロで、塩釜港(塩釜市)と七北田川河口の蒲生(仙台市宮城野区)を結ぶ。1673年ごろに完成した。江戸、明治時代、コメや塩を仙台へ運ぶ大動脈だった。貞山運河は、石巻市の旧北上川から岩沼市の阿武隈川の間にある二つの運河と三つの堀の総称。

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