日本民営鉄道協会(東京都)が調べた2014年度の「駅と電車内の迷惑行為ランキング」で、「混雑した車内へのベビーカー乗車」が前年度比1.6ポイント 増の19.5%で7位になった。この項目を設けた09年度以来の最高値で、3年連続で増えている。国土交通省などが昨春、電車などへの乗車に関する基本 ルールをまとめたが、理解は広がっていない。
昨年10~11月にホームページを通じて調査し、3135人(男性2437人、女性698人)から回答を得た。15項目の迷惑行為の中から3項目まで選んでもらい、トップは6年連続で「騒々しい会話・はしゃぎまわりなど」(33.2%)だった。
ベビーカーに関して男女別にみると、女性が2.8ポイント増の30.2%(3位)で、男性は1.2ポイント増の16.5%(8位)だった。過去5回いずれも女性が男性を上回っている。
国交省などの協議会は昨年3月、電車やバスで折り畳まずに乗れる基本ルールをまとめ、優先スペースを示す統一マークを作製、5月にはPRキャンペーンを展開した。阪急電鉄や阪神電鉄、近畿日本鉄道、JR西日本もマークの掲示を始めている。
ベビーカーの使用に詳しい神戸女子大家政学部の西本由紀子助手は、女性の厳しい見方について▽中高年女性に「昔は電車などでは抱っこひもを使っていた」 という思いがある▽若い女性にも子育ての現状が伝わっていない--と分析し、「基本ルールの周知が不十分だ。地道に啓発を続け、ベビーカーの使用者にも周 囲への配慮を求める必要がある」と話している。【木村健二】
◇駅と電車内の迷惑行為ランキング
(1)騒々しい会話・はしゃぎまわりなど 33.2%
(2)座席の座り方 31.7%
(3)乗降時のマナー 27.9%
(4)携帯電話・スマートフォンの着信音や通話 24.7%
(5)ヘッドホンからの音もれ 24.5%
(6)荷物の持ち方・置き方 22.3%
(7)混雑した車内へのベビーカーを伴った乗車 19.5%
(8)ゴミ・空き缶などの放置 16.9%
(9)車内での化粧 16.5%
(10)酔っ払って乗車する 14.6%
(11)喫煙 13.2%
(12)電車の床に座る 13.1%
(13)混雑した車内での飲み食い 11.4%
(14)混雑した車内で新聞や雑誌・書籍を読む 9.6%
(15)電子機器類(携帯ゲーム機・パソコンなど)の操作音 7.0%
※日本民営鉄道協会調べ。2014年度の男女総合。3項目までの複数回答