<運動会復活>地域懐かし賞品は「笑顔と絆」

2013年に閉校した宮城県気仙沼市の旧浦島小に、住民たちの歓声が響いた。住民でつくる浦島地区振興会が5日、東日本大震災後に離れ離れになった住民の交流の場をつくろうと、地区の運動会を復活させた。
校庭には仮設住宅が立ち、体育館が会場。住民ら約80人がラグビーボールを手渡しで送る種目やスプーンリレーなどを地区対抗で競い、爽やかな汗を流した。
同市小々汐の無職畠山トシ子さん(82)は玉入れなどを楽しみ、「懐かしい人にも会えた。みんな笑顔で輝いていた」と喜んだ。
気仙沼湾に面する浦島地区には震災前、約240世帯が暮らしたが、多くが津波で被災し約3割まで減った。高台に集団移転団地が順次完成しており、住宅を再建する住民も出ている。振興会はお花見会を開くなど住民交流を続けてきた。
振興会会長の尾形健さん(71)は「震災から4年が経過して住民の気持ちも落ち着きつつあり、ようやく運動会ができた。地域の絆を強める行事として続けていきたい」と話した。

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