<鍋>今年は「レモン鍋」がブーム? 「おしい!広島」仕掛ける

 「トマト鍋」や「豆乳鍋」などヘルシー志向の鍋が、話題になる中で、今年は「レモン鍋」が登場した。すでに東京都内の飲食店で提供する店もあるほか、人気和食店「賛否両論」の料理長、笠原将弘氏もオリジナルレシピを考案した。まもなく冬本番、レモン鍋が家庭の定番になる日がやってくる?
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 笠原料理長の「牡蠣(カキ)と豚肉のレモンみぞれ鍋」は、だし汁に野菜、カキ、豚肉を入れ、レモン果汁を絞ったうえに、大根おろしとレモンスライスを乗せて軽く煮るもの。レモン汁をだしに入れることで酸味のきいたスープになる。笠原料理長によるとカキと豚肉の組み合わせは相性がよく、さらにレモンを入れることで、生臭さを消すことができ、うまみが増すという。
 この「レモン鍋」、仕掛けるのはレモンの生産量が日本一の広島県だ。2009年の国産レモンの生産量のうち、広島県が全体の59%、次いで愛媛県が24%で、瀬戸内をはさんだ両県で国内生産の80%超を占めている。一方で輸入量に対する国産レモンの出荷量は9%にとどまっているのが現状だ。
 そこで国産レモンの消費拡大を目指し、広島県が乗り出した。広島産レモンの愛称を「瀬戸内 広島レモン」とし、従来の「黄色」に加えて、国産は露地ものの「緑色」も楽しめることや、外国産と異なり、防カビ剤やワックスを使用していないため、皮も食べられ「安心・安全」を積極的にPR。緑色のレモンが出回る冬季にあわせて「レモン鍋」を提案した。現在は笠原料理長のレシピに加え、都内の三つの飲食店がそれぞれにオリジナルのレモン鍋を提供している。
 13日には広島県のアンテナショップ「TAU(タウ)」(東京都中央区)で笠原料理長と料理研究家の本居佐知子さんによる「瀬戸内 広島レモン」レシピ披露会があり、「牡蠣と豚肉のレモンみぞれ鍋」のほか、レモンサワーに梅干しを入れることからイメージしたという「大人のレモンスカッシュ」や「アジのレモン南蛮漬け」、すし酢の代わりにレモン果汁を使った「アナゴのレモン寿司」や緑のレモンを皮ごと1個使った「ベイクドレモンチーズケーキ」などが紹介された。笠原料理長と本居さんのレモンレシピは、ホームページなどで公開する予定。
 レモン鍋を考案した笠原さんは「レモン、カキ、豚肉がそろうと『レモン鍋』をだれもが思うような定番メニューになってほしい」と話す。豊富な観光資源がある一方で、全国的にそれが知られていないことから「おしい!広島県」をキャッチフレーズに活動する広島県。生産量日本一のレモンも「おしい!」の対象だ。今冬は「レモン鍋」で、「おいしい広島」に変身を目指している。【江刺弘子】

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