<防潮堤>国道45号かさ上げし「兼用堤」に

宮城県気仙沼市本吉町の大谷地区住民でつくる大谷地区振興会連絡協議会と大谷里海(まち)づくり検討委員会のメンバーは31日、国道45号を防潮堤を兼ね る「兼用堤」にするよう求める要望書を菅原茂市長に提出した。防潮堤を内陸側に移してできる限り砂浜を確保するのが目的で、菅原市長も実現に努める考えを 示した。

図面も添えた要望書では、国や宮城県が大谷海岸に計画する海抜9.8メートルの防潮堤を当初計画より内陸に移し、海岸線から数 十メートルにある国道45号をかさ上げし、兼用堤にするよう求めた。後背地もかさ上げし、海側にある道の駅「大谷海岸」を移転させるなど要望は全8項目か らなる。
大谷海岸は環境省の「快水浴場百選」にも選ばれたが、東日本大震災の地盤沈下で砂浜が減少。海岸近くをJR気仙沼線と国道45号が並行 して走り、防潮堤の建設で砂浜の奥行きを確保しにくくなることから、海岸が再生し、にぎわいを取り戻せるかどうか心配する声が上がっている。
菅原市長は「国道45号の兼用堤化は国が難色を示すが、県と一緒に要望して実現させたい」と住民側の要請に賛同した。
検討委は2014年9月に住民30人で発足、これまで議論を重ねてきた。芳賀孝司会長(45)は「甚大な被害があった大谷地区を良くしようというみんなの思いが形になった。要望を一つでも多く実現させたい」と語った。

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