<集団移転>多世代支合う「福祉モール」整備

宮城県南三陸町社会福祉協議会は、志津川東地区に高齢者生活支援施設「福祉モール」を整備する。2017年4月開設予定で、高齢者のデイサービスに加え、障害者や子どもが集える場にもする。東日本大震災で被災した町で新しい福祉サービスの形を目指す。

モールは、病院や町役場庁舎がある志津川東地区のうち、高齢者の入居者が半数を占める災害公営住宅の隣接地に建設する。木造平屋、延べ床面積約900平方 メートルで、総事業費は約4億7000万円。外壁をガラスで覆うデザインを採用し、災害公営住宅の集会所と歩道でつなぐ。
定員17人のデイサービス、居宅介護支援事業に加え総合相談コーナーを設けて地域包括ケアの中核を担う。住民ボランティア組織「ほっとバンク」による高齢者見守りの拠点としても活用し、ショートステイ事業も行う。
世代間の支え合いが大きな特徴で、子どもの一時預かりや障害者の就労訓練の場としてカフェレストランを併設。高齢者自ら1人暮らし世帯に食事を配る有償サービスの展開も計画する。
町社協の猪又隆弘事務局長は「施設を中心に地域力を復活させ、元気な高齢者を増やしたい。町を被災地から福祉の先進地に押し上げる」と意気込む。
町は高齢化の加速が予想される志津川東地区で介護予防や生活支援のための拠点施設の建設を計画。公募型プロポーザルの結果、町社協の提案を選定した。町が国の復興交付金で施設整備を補助する。

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