東北電力は28日、10月予定の消費税率引き上げに伴う電気料金単価の見直しを発表した。標準家庭(契約電流30アンペア、使用電力量260キロワット時)の料金は、現行の7409円から123円上がり7532円となる。東日本大震災の設備被害などを受けた2013年の料金改定、14年の消費税増税時に続く値上げとなる。
法律が定める経過措置で、原則として11月分の料金から新税率10%を適用。輸入燃料の価格変動を反映させる燃料費調整額はこの計算に含まれず、各家庭への実際の請求額は異なる。特別高圧や高圧などの電気料金も見直す方針。10月1日以降の新たな契約は、10月分から10%を適用する。
東北電は13年9月、震災による設備被害や原発の長期停止に伴う火力燃料費増大による収支悪化を理由に、33年ぶりとなる本格改定で家庭向け料金を平均8.94%引き上げ。消費税率が5%から8%となった14年にも上げている。
東北電は女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)と東通原発(青森県東通村)の再稼働を計画。女川2号機の安全対策工事費は3400億円程度に膨らんでいる上、女川1号機の廃炉費用などもかさむ。
原田宏哉社長は7月の定例記者会見で、現時点で原発への対応を理由に値上げする考えはないと強調。「収支や財務の見通し、競争状況、経営効率化の状況などを勘案して見定める」と述べた。