<震災7年>被災地首長アンケート 東京五輪・復興ホストタウン 新たに12市町村が申請検討

「復興五輪」と位置付けられた2020年東京五輪で、内閣府が募集する「復興『ありがとう』ホストタウン」に、新たに東日本大震災で被災した12市町村が申請を検討していることが分かった。震災から7年を前に、河北新報社が岩手、宮城、福島3県の被災42市町村の首長を対象に実施したアンケートで判明した。
一方で、19市町村は「申請しない」と回答。「復興五輪」を巡る被災自治体の対応は二分し、依然として戸惑いもある状況が浮き彫りとなった。
各首長の回答は表の通り。「申請した」「検討中」が計22市町村で、過半数に達した。より具体性のある「申請予定」はゼロだった。申請した仙台市と申請しないいわき市は、ともにキャンプ地誘致を目指す従来の「ホストタウン」に登録している。
検討中の内容は「震災時に支援していただいた各国の出場選手や家族を招いた歓迎慰労会。子ども中心の交流」(相馬市)「震災後、村に進出した企業と関わりがあるタイとの交流」(福島県川内村)などが上がった。
申請しないと回答した自治体は理由として、原発事故の避難指示区域に指定されていることや、津波被災地では職員やノウハウが不足していることなどを指摘した。
アンケートでは、首長が捉える自らの自治体の「復興度」も聞いた。前年調査より復興度を上げた首長は18人。70%以上が31人に上り、全体の73.8%を占めた。
このうち原発事故の影響が色濃い福島県では、新地町、飯舘村、川内村が10ポイント増の70%だが、浪江町、葛尾村は30%、双葉町10%と低迷。川俣、大熊、富岡各町などが回答しなかった。

[復興「ありがとう」ホストタウン]岩手、宮城、福島の被災3県の自治体に東京五輪への参画を促すのが目的。従来の「ホストタウン」事業への応募が低調だったため新設し、内閣府が昨年9月から開幕直前まで受け付ける。震災時に支援を受けた海外の国・地域の関係者との交流事業などに対し国が経費の半額を交付税措置する。3県では津波被害や原発事故避難指示区域になった10市町村と内陸の3市村を合わせた計13市町村が申請し、決定している。

[調査の方法]東日本大震災で津波被害を受けたり、原発事故に伴う避難区域が設定されたりした岩手、宮城、福島3県の計42市町村の首長を対象に実施。1月下旬までに調査票を電子メールで送付し、2月下旬までに全市町村から回答を得た。

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